産前休暇を利用して、整理収納アドバイザーの2級オンライン講座を受講し、資格を取得してみました。
整理収納アドバイザーとは
ハウスキーピング協会が認定する資格で、2級・準1級・1級の3階級があります。2級と準1級は所定の講座を受講すると資格が得られます。整理収納のプロ、「整理収納アドバイザー」として収入も得て活躍したい場合は1級まで取得する必要があり、1級取得のためには試験もあります。
詳しくは、ハウスキーピング協会の公式HPをご覧ください。
きっかけ
筆者は、産前休暇になるといつも家の中の断捨離、整理整頓をしていて今回3回目の産前休暇で自分の物についてはもう手をつけるものがなくなってしまっていました。
そこで気になるのが子ども達の物。今は親が介入して片付けをしていますが、ゆくゆくは子ども自身で自力で自分のものをしっかり管理できるようになって欲しい。自分の片付けならある程度自己流で問題ないけれど、自分の子とはいえ、他人に片付けの指導をする場合に何らかのノウハウが欲しいと思い、整理収納アドバイザーの講座を受けてみることにしました。
2級の資格は、講座を1日(9:30〜16時)受講するだけでいただけます。また、zoomによるオンライン講座も複数開催されているので、臨月の筆者も受講可能でした。
実際に受講
まずはハウスキーピング協会に会員登録し、自分の都合のいいオンライン講座に申し込みをします。そうすると、登録アドレスに協会と講師の先生からメールで受講料の支払いや当日の講座についての案内が届きます。また、受講料支払い後、郵送でテキストが送られてきます。テキストが受講日に届いている必要があるので、直前の講座は申し込みができないように設定されていました。
テキストを無事受け取ったら、あとは受講日当日にzoomを起動させて開始時間を待つだけです。
講座内容
午前中は主に整理収納の理論、午後から整理収納のステップを学び、実例を紹介していただきながら自分も演習問題に挑戦する(実践)という流れでした。それでは内容をご紹介します。
整理の理論
「整理」とは:不必要なものを取り除くこと
整理の3つの効果
①時間的効果:片付いていると、探し物に時間を書けなくて済む。動線がいいと家事時間や労働時間が短縮される。
②経済的効果:自身が所有している物を把握できるようになると、二度買いがなくなり、買うべきものが明確になるため無駄買いが減る。
③精神的効果:片付いていると気持ちがいい。動線がスムーズだとストレスが減る。急な来客にも慌てなくなる。
整理による安全面への効果は、準1級の講座内容とのことで、今回はありませんでしたが、高齢者や乳幼児向けの片付けは安全面への効果が重要になるので詳しく知りたいところでした。
整理の3ステージ
①所有物を全て出す:家中のものを全部出すのは大変なので、まずは文房具、靴などとわかりやすいものから始めます。
②使っている物、使っていない物で分ける:感情は抜きにして、実際に「使っているかどうか」で分けます。
③使っている物をグループ分けする:種類、使用頻度や使用目的別に分ける
ここで、使っていない物を全て不要な物と判断できて手放せれば問題ないのですが、人には感情がありますので、使っていない🟰不要とは必ずしもなりません。そこで次の理論に移ります。
整理の4つの基本領域
<アクティブ領域> 実際に使っている物 | <プロパティ領域> ただ所有しているだけの物、探さないと見つからない物 |
<スタンバイ領域> 今は使われていないが、すぐに使えるように待機している物(季節外の服など) | <スクラップ領域> 廃棄を待つのみの物 |
使っていないけれど思い入れがあり手放せない物はスタンバイ領域に入れ、できる限りプロパティ領域とスクラップ領域を小さくしていくことが整理の基本理論となります。
ここまでで、自分の所有物のグループ分けができたので、次にどこに戻すかを決めていきます。
整理収納の5つの鉄則
①適正量の決定:実際に使っている物の量から自分で適正量を決める。決めた後は、買い足したらその分手放すことを徹底する。
②動作・動線にかなった収納:高さは、中→下→上の順に使いやすい。生活動線を意識する。
③使用頻度別収納:毎日、2〜3日に1度、週1回、月1回、年1回で区別し、使用頻度の高いものから使いやすい場所に収納。年1回も使っていないが捨てられない物は期限を決めて一時保管。
④グルーピング:子どもの通園用品、手芸用品など複数で一つの仕事をする物を一緒に収納。
⑤定位置管理:収納場所を決めたら必ずそこに戻す。可能ならラベリングもすると◎
整理収納のステップ
1度整理収納を実施したらそれで終わりではなく、定期的に見直しが必要です。いわゆるPDCAサイクルというやつですね。
収納の基礎知識
収納形式
長所 | 短所 | |
棚板収納 | 前面から物を出し入れできる。 床から天井までの空間を仕切れる。 棚板ごとに収納する物の種類を変えられる。 | 前後に物を置くと奥のものが取り出しにくくなる。 |
引き出し収納 | 上から見て何が入っているか分かりやすい。 奥の物も取り出しやすい。 | 目線より上の位置からでは中身が見えにくく、引き出すのも困難になる。 物を重ねて収納するのには不向き。 |
箱収納 | 蓋付きの箱は積み重ねられる。 | 蓋を開けないと中身が見えない。 細かい物の収納には不向き。 |
収納スペース
・押入れ:奥行きが深く収納容量が大きいため、奥と手前を分けて収納スペースを考える。使用頻度が高い物を手前に、低い物を奥に収納。また、棚板が設置されているので中段→下段→上段と使用頻度や動作・動線により収納。
・クローゼット:衣類収納する想定で作られ、奥行きが浅い。上部に棚があり、その真下にハンガーパイプが取り付けられている。ハンガーパイプに衣類をかけ、その下の空間に収納ケースを設置するのが一般的。
収納スペースを区切る際は、四角く区切り、他の空間でも使用可能な汎用性の高い物を使用するのがおすすめです。
実践例
適正量の決定の活用
・書籍、DVD、書類などの整理:使用後片付けるときは、必ず収納の右側からと決める→使っていないものが左に溜まっていく。収納に入らなくなったら左のものから処分していく。
・タオルや紙袋など:収納場所を決め、そこに収まる量だけと決める。我が家は子どものおもちゃ、お菓子を収納ボックス(どちらも引き出し収納、下段に設置)に入れ、そこに収まるだけにしています。
動作・動線に適った収納の活用
・身体サイズに合わせて:高さのある洗面所の棚やシューズクローゼットなど。家族の背の高い順に上から収納スペースを割り振る。子どもが小さいうちは、子ども用品は下段ですね。
・身支度場所に収納:帽子やコート掛けを玄関付近に設置する。我が家は玄関の鍵を玄関の裏に収納しています。
使用頻度収納の活用
・台所の収納:使用頻度の高い家電、調味料、食器類を中段に集める→重さのある食器類を下段→頻度の低いものを上段へ
・引き出しの収納:使用頻度の高いものを手前に収納
グルーピングの活用
・冠婚葬祭セット:使用頻度は低いが、急に必要になり慌てて探すことが多いので、グルーピングして一箇所にまとめておくと便利。
・梱包セット:メルカリなどを定期的に利用している方などにおすすめ。
・調味料セット:ご飯のお供セット、朝食セットなど
我が家は、子ども達の通園準備セット(蓋なしの箱収納を押入れの中段に設置)を作っています。その結果、第1子は自分で保育園の登園準備と片付けができるようになりました。詳しくは以下の記事に載せていますので、よければご覧ください。
定位置管理
こちらは具体的例というより、収納場所を決めたらそこに戻しましょう、という習慣化のお話になります。ラベルを貼ったり、写真を貼ったりするとさらに分かりやすくなります。
我が家は、子ども達の収納ボックスには各人のパーソナルカラー(好きな色)を決め、その色の紙に平仮名で大きく名前を書いてラベルしています。色分けしておけば、まだ字が読めなくても自分の箱が分かってくれるのでオススメです。
終わりに
整理の理論から学ぶことができ、今まで自己流でやってきた整理・収納を客観的に見直すいいきっかけとなりました。
一番増える速度が早く、定期的な見直しが必要な子どものおもちゃの収納は、適正量を決め、引き出し収納の実用化までできていたので、次は引き出しにおもちゃが入らなくなった際に子どもに「使っている物」「使っていない物」で分別してもらってみようと思います。
おそらく「使っていない物」でも手放したくない物がたくさん出てきます。講座受講前は、結局全然捨てられないじゃん!!と呆れていた思いますが、受講後の今ですとスタンバイ領域だな、と冷静に判断できそうですw。
整理の安全面への効果やさらに詳しい内容についても興味があるので準1級講座受講も検討してみたのですが、準1級講座は2日間の受講が必要で、筆者の産前休暇中に受けられそうなオンライン講座がなかったため断念しました。
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